老舗企業から学ぶ【最強の世渡り術】

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老舗企業から学ぶ【最強の世渡り術】

はじめに

 日本は、【老舗企業】が世界で断トツに多い国である。創業100年を超える企業は実に3万3000社に上る。これらの【老舗企業】が存続してこれたのは、明確な理由がある。今回は、その【世渡り上手な企業】から存続するためにどのような工夫がなされていたのかを学び、あなたの人生の糧にしていただきたい。

企業には【人格】が求められる

企業には【人格】が求められる

 皆さんも【法人】という言葉を耳にしたことがあるだろう。
【法人】とは、「人間ではないが、法律上人格を認められ、法律行為を有効になし、権利・義務の主体となりうる資格を与えられたもの。」である。

つまり、法の上では人として扱われるのだ。

また、【法人格】という言葉を聞いたことがあるだろうか?
「人が《品性の高い人格者になりなさい》と教えられるように《企業も品性の高い法人格》を備えるべき」という考え方がある。

このように【法人】と人は類似点が非常に多い。
であるならば、【法人】として息の長い【老舗企業】から、我々も多くの学びを得ることができるはずだ。

なぜなら、目まぐるしく変わる経済情勢の中で多くの人たちを支え、多くの人たちに支えられ、そして愛され続けてきた実績があるからだ。

つまり、【老舗企業】は【最強の世渡り術】を心得ているはずなのだ。

なぜ、【老舗企業】は100年以上にわたって経営を続けてこれたのか?

今回はその謎に迫り、そこからの学びを皆様にお伝えする形で【最強の世渡り術】をご紹介する。

人はなぜこの世に生まれる?

人はなぜこの世に生まれる?

 突然だが、人はなぜこの世に生を受けるのだろうか?
長寿化が進んだ昨今では人生100年時代と言われている。
その100年という時間にどのような意味があるのだろうか?

そのような問いかけに、あなたはどのように答えるだろう。

きっと様々な答えがあるに違いない。しかし、今回はその中で、もっともらしい答えの一つを提示させていただく。

人生とは
世のため、役立つ役割を果たし命を繋いでいくためにある。

吉田篤生(元慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(SDM)特別招聘教授)

 では、上記に倣って社会的な役割という観点でみてみよう。

例えば、親は子のために役割を果たす。先生は生徒のため、社長は社員や顧客、取引先のために役割を果たすべきだと考えられる。

人の役に立ち、世の中に貢献し、その命を繋いで活動を継続していく。

これは、法人である企業にも求められる。
企業の社会的責任(CSR)として、上記のような世の中への貢献が求められるのだ。

企業経営の本質

企業経営の本質

 企業経営の本質は継続することにある。一時的に大きな利益を上げたとしても、その後すぐに破綻しては意味がない。

それを遂行するために掲げるべき目標がある。
関わる全ての存在(ステークホルダー)に目配りし、安定的に適正な利益を上げる』という目標だ。

つまり、自身の利益に固執せず、周囲の人たちへの配慮を考え、バランスの良い関係を築くことが重要である。

このなんとも難しい状態を100年以上持続しているのが、【老舗企業】なのである。

日本の老舗企業

日本の老舗企業


 大企業といえば、おそらくGAFAが思いつくだろう。

なにかを疑問に思えば、アップル製の『iPhone』を手に取り、Alphabet社の『Google』や『YouTube』で検索する。また、友人の近況はMeta(旧:Facebook)社の『Facebook』や『Instagram』で確認してコミュニケーションをとる。そして、なにか欲しいものがあれば、Amazon社の『Amazon』で自宅に居ながらショッピングを楽しむことができる。

これらの大企業は私たちの生活に見事に溶け込んでいる。

この4社の時価総額の合計は約770兆円であり、日本企業全体の時価総額の約750兆円をも凌ぐ(2021年時点)。

日本の企業ではとても太刀打ちできない、素晴らしい企業たちだ。

しかし、創業年数においては、最も古いAlphabet社ですら47年と非常に若い企業である。勿論それゆえに成長率が高いのはいうまでもない。

一方で、100年以上の【老舗企業】の数は、世界を日本が圧倒している。日本が3万3259 社(2019年時点)と世界で断トツに多いのだ。比率でいうと、1位日本41.3%、2位アメリカ24.6%、3位ドイツ9.8%となっている。

このことからも、日本は【老舗企業】大国であることがわかる。

老舗企業が使う【世渡り術】とは

 日本の【老舗企業】は、社会情勢という幾多の荒波を100年以上乗り越えてきている。
そして、これほどまでに多くの企業が安定した経営を継続できているのは、再現性の高いテクニックが確立している可能性が高い。今回はそこから学び得た2つのテクニックをご紹介する。

①伝統の継承と革新

①伝統の継承と革新

 コア・コンピタンス〈他社には真似できない自社ならではの価値を提供するための企業の中核的な力。〉

その企業独自の絶対的な強みを、決して手放してはいけない。それを失った途端に、他社との競争力が著しく低下してしまうだろう。しかし、それにしがみ付いているだけではいけいない。

【革新】するために再考する必要があるのだ。

企業方針から決して逸れることなく、【コア・コンピタンス】を磨いていかなければならない。

あなたの人生もそうだろう。
あなたの人生のビジョンを明確にして、自分磨きを続ける必要がある。
ふらふらと態度や考えを変えてしまうと、『一貫性がない』という不名誉なレッテルを貼られてしまう。

しかし、方針が明確であれば、その道中に考えを改めることは悪くない。
むしろ考え直すことであなたの【コア・コンピタンス】が更に磨かれていくだろう。

つまり、【あなたの強み】を理解し、人生のコンパスに従いながら、【革新】を続けることが重要となる。

そうすれば、あなたの人生は唯一無二のものとなり、多くの人から愛される人生を送れるかもしれない。

②三方よし

②三方よし

 三方とは、売り手・買い手・世間を指す。
つまり、三方よしとは『売り手よし、買い手よし、世間よし』という状態である。

大きく値下げすれば、買い手は喜ぶだろう。しかし、売り手は喜ばない。売り手が続けられなくなれば、世間への影響も計り知れない。そのように、自分を含めて良い状態でなければ、継続可能な良い循環は生まれない。継続可能なだれもがいい状態を『三方よし』という。

これをあなたの人生にも当てはめて考えてほしい。

様々なストレスの温床となっている現代社会。
あなたは自分自身を大切にできているだろうか?

会社のため、家族のため、友人のため。。。

あなた自身の幸せが置き去りになっていないだろうか?

日本がこれほどの【老舗企業】大国となったのには、理由がある。
バランスよく、周囲と良い関係を築いてきたからだ。

近年はコロナ禍で多くの飲食店が閉店に追い込まれた。

その中で、『潰れてほしくないなぁ』と考えた飲食店はなかっただろうか?

おそらく、その飲食店はチェーン店ではないはずだ。

ただただ食事の提供をする場所ではなく、あなたと会話し、いつでも居場所を与えてくれた。
そんな飲食店が頭に浮かんだのではないだろうか?

あなたが利益だけを追い求めていれば、相手も同じように利益だけをあなたに要求するだろう。

しかし、あなたが相手の成功や幸せを望むなら
相手もあなたの幸せや成功を祈ってくれるかもしれない。

そして、相手の幸せや成功を望むには、自身がまず幸せな状態でいる必要がある。
そうでなければ、あなたのGIVEの感情は、些細なきっかけで、たちまち嫉妬や嫌悪感に変わることだろう。

まとめ

 【老舗企業】は100年以上も、周囲と良い関係を築き続けてきた。そして、そこには再現性の高いテクニックを使った【最強の世渡り術】がある。

今回は、その【最強の世渡り術】から、我々の人生への活かし方をお伝えした。

誰もが、自分を犠牲にしがちで他者への貢献を優先してしまう。そのような優しい人が非常に多い。
しかし、それは長い人生を俯瞰してみたときに、継続するにはあまりに脆く、危険である。
ひょっとしたら自分自身の健康を脅かしてしまうかもしれない。

そのため、優先順位を考え直すべきである。
自身を大切に、その上で他者への貢献を考えてほしい。

なぜなら、あなたの幸せが盤石な基盤であれば、周囲の人へと幸せは伝播していくのだから。


参考著書

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