人を動かす方法~すぐに使える3つのテクニック~

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人を動かす方法

はじめに

 人は社会的動物だ。必ず、誰かに支えられながら生きている。1人きりで生きることはとても難しい。そのため、私たちは日常生活の中で,誰かに何かをお願いする場面が多々ある。例えば,何か重要なことを依頼したり,相手に直して欲しいことなどを伝える場合だ。気持ち良く相手に行動してもらうには,確かなテクニックがいる。人は誰しもが、指図を受けるのを嫌うからだ。良好な人間関係を築きながら、お互いに生活しやすい環境を構築する。そんな3つのテクニックをご紹介しよう。

①相手の立場で考える

①相手の立場で考える

 子供の頃から『相手の立場で物事を考えなさい』とよく言われたものだ。しかし、これができている大人はどれほどいるのだろうか?何かを相手にお願いするには、相手にメリットがないと、そのお願いは後回しにされる。誰しもが、自分の利益になることを優先したいと思うからだ。そのため、相手の立場で考えられる人間は希少であり、信頼され重宝される。
 自分のお願いを聞いてもらうことで、相手にどのようなメリットが生じるかを考えてみよう。抽象的でなく、具体的かつ即時性のあるメリットが相手に生じれば、相手も快くそのお願いを聞いてくれるだろう。そのためには、相手のことを良く知り、理解する必要がある。相手がどのような立場にあって、どのような環境にいて、どのようなことを優先しているのか。それらの情報を集めて、相手の立場で考えると、交渉がスムーズに進む。相手に行動を促す場合には、行動した後のメリットを具体的にイメージさせるように説明する良い。

②相手の考えを受け入れる

 どんなに相手の意見が間違っていても、決して即座に否定してはいけない。相手の自尊心を傷つければ、相手は必死になって自尊心を取り戻そうとする。つまり、恨みや怒りの矛先は否定した人へと向くのだ。そうなれば双方に利はない。
 仮に、明確な間違いに気付いたとしても、その考えのポジティブな面に注目してみよう。例えば、相手がその考えに至った経緯や動機だ。間違っているとはいえ、その意見を教えてくれようという熱意があるわけだ。その部分を褒めてみよう。そして、やんわりと間違っている可能性を伝えてみよう。あくまで、断定はせずにだ。また、時にはその場では伝えずに相手が冷静なタイミングを見計らって伝えるのも良い。議論は、相手と議論しないことが一番の勝利なのだ。議論とはそもそも、相手の間違いを指摘するためにしている訳ではないはずだ。一旦立ち止まり、議論をする目的へと思考を巡らせることが重要だ。お互いの意見を尊重しあい、目的に向かって協力関係を構築していくことが望ましい。

③返報性の法則を使う

③返報性の法則

 自分が相手になにかをお願いした後に、今度はその相手から別のなにかをお願いされたことはないだろうか?その場合、多くの人が忙しくても断れずに了承してしまうだろう。これを、【返報性の法則】という。人はだれかになにかをしてもらうと、自分もその人に何かを返さなければと考え行動する。その際には、自身のやるべきことの優先順位をやすやすと放り出し、その相手への恩返しを優先してしまう傾向がある。これは、我々人間が狩猟採集民族だった頃からDNAに深く刻まれている。かつて、人類は狩猟をする際に、チームを組んで行っていた。人類は生活する上でコミュニティの構築が不可欠だった。そのコミュニティに赤子がいれば、コミュニティの仲間が協力し育てた。これらのコミュニティを運営していくには、【信頼】が必要不可欠である。一方が何かを与え続けて、もう一方が何も与えないような状態が続けば、コミュニティは崩壊する。そのため、なにかを与えてもらえれば、その恩を返さなければという心理が働く。これは、とても強力な力で我々の思考へと働きかける。この【返報性の法則】のすごいところは、相手が欲していないものを与えても働くことにある。つまり、相手へ交渉する前に、なにかをプレゼントしてみてはどうだろうか?もちろん見え見えの賄賂なんてものはよくない。さりげなく、日ごろの感謝を伝えて渡してみてほしい。大したものでなくてもいい。しかし、相手はあなたに恩を感じ、お願いを聞いてあげたくなるだろう。

まとめ

 今回は、相手を動かす3つのテクニックをご紹介した。どれも簡単に行うことが可能で、すぐに実践可能である。ぜひ、皆さんに試してもらえると嬉しい。相手を動かすには、まずは自分の考えや行動を改める必要がある。『北風と太陽』の話にもあるが、我々は太陽でなくてはならない。相手を尊重し、思いやり、相手が自ら動きたくなるように促すのだ。そうすれば、お互いに良い人間関係を構築し、目的達成が可能となる。誰しもが、強制されたり指図されるのを嫌うだろう。嫌悪感があれば、長続きはできない。お互いにとって、有意義な時間が作れると、そこから楽しさを見出すことができる。アフリカのことわざで『Fast Alone,Far Together.』とある。日本語訳は、『早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければ皆で行け』である。一人で行えば、早く終えることもあるだろう。しかし、大きな事を成し遂げるには、皆で協力する必要がある。人類は、大勢の協力によって繁栄してきた。あなたも、仕事からプライベートまで多くの人に支えられているだろう。その人たちと良い関係を築き、継続するためにもぜひ実践してほしい。

参考著書

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