【熱中症】の予防法を徹底解説!

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【熱中症】って?

最近
暑い日が続いてるね…

そうだね
【熱中症】に気をつけないと!

【熱中症】って
どうやって気を付けるんだろ?

それは
涼しくして…

【熱中症】って
そもそも病気なのかな?

ん~
どうなんだろう?

 最近、暑くなると
『【熱中症】に気を付けましょう!』という注意喚起がされますよね?

 近年は夏にクーラーが必須となっています。
『昔はクーラーなんて使ってなかったのに…』
と思う方も多いですよね。

 近年の時代背景とともに
以下の3つの疑問を解説していきます。

  • 【熱中症】とは?
  • 【熱中症】の要因とは?
  • 【熱中症】の予防法とは?


それでは、みなさんも一緒に学んでいきましょう!

熱中症とは?

 最近は、生活活動に伴うCO2などの
【温室効果ガス】の排出量が増大して【地球温暖化】が問題になっています。

 この【地球温暖化】を背景に
スポーツや日常生活で【熱中症】が頻繁にみられています。

【熱中症】とは
暑熱による障害の総称のことです。

その症状には以下がみられます。

  • 熱射病
  • 日射病
  • 熱けいれん
  • 熱疲はい
  • 脱水症
  • 熱性失神  など

へぇ~
【熱射病】も【日射病】も
【熱中症】の一つなんだ!

ちなみに病型は4つあります。

  1. 熱失神
  2. 熱疲労
  3. 熱けいれん
  4. 熱射病

 なんだか、難しいですよね。
続いて、なぜ【熱中症】がおきるのかを考えていきましょう。

【熱中症】の生理的な2つの要因

  • 過度の体温上昇(高体温)
  • 脱水 

なるほど
この【2つの要因】に

注意すればいいのね!

実は、この【2つの要因】が非常に厄介なんです。

研究では以下のことが明らかになっています。

【脱水】の程度と運動時の【体温上昇】は正相関を示す.

Adlf,1947

 つまり
脱水】になればなるほど
【体温上昇】が生じ

【体温上昇】が生じれば生じるほど
【脱水】が進むんです

この【2つの要因】は
【負の連鎖】となり
【熱中症】増加させています。

【熱中症】の【昔】と【今】

 日本の【熱中症】の発生状況をみてみましょう。
まずは、過去全体のデータです。

熱中症の疫学的報告

熱中症による死亡者数は
1986年~2012年までの45年間➡11,087件
特徴:男性や70歳以上の高齢者に多い

中井,2013

次に
【昔】と【今】を比較します。

熱中症による死亡者数は
1970年~1990年までの21年間➡1,450件

中井,1993

これを先ほどの
45年間の【死亡者数】から引くと
1991年以降は9000件を超えます

特に、1995年以降は【死亡者数】が多く
2007年には923件
2010年には1,745件と

近年増加傾向にあります。

1970~1990年までの
25年間の【死亡者数】よりも

2010年の
1年間の方が多いってこと!?

最近
【注意喚起】が
増えてるのも納得ね…

【熱中症】発生の2つの特徴

①真夏日や熱帯夜、および高温の日が多い年に熱中症発生数が多くなる.
(中井,1993)

②スポーツ活動時では急激に暑くなった日に発生しやすい.
(中井ら,1993)

と上記の2つの特徴が報告されています。

また

スポーツ活動時において,6月では7月に比べて低い環境温度条件でも発生する.

森本ら,2007

と報告しています。

つまり、
暑い日の夜間スポーツ時には
注意が必要です。

【熱中症】で注意すべき指標とは?

 

【熱中症】は
暑い日に注意が必要なんだね!

暑い日っていうのは

【気温】のことかな?

ん~
でも【湿度】が高いと

【気温】よりも暑く感じるよね…

たしかに…
【風】もあると

涼しい気がするしね…

【暑さ】によってうけるストレスを【温熱ストレス】といいます。
この【温熱ストレス】が高まると、【熱中症】のリスクが高まります。

【温熱ストレス】を表す際に用いるのが
湿球黒球温度(WBGT)です。

ニュースでよく耳にする
【暑さ指数】はこの【WBGT】の数値を指します

暑さ指数(WBGT)

  【暑さ指数】は以下のものを総合的に評価した数値です。

  • 温度
  • 湿度
  • 気流
  • 太陽輻射  など

単位は℃ですが、気温の数値とは異なります。

下のグラフは
平成17年の主要都市の救急搬送データを基に
日最高WBGTと熱中症患者発生率の関係を示したものです。

【暑さ指数】が28℃を超えると
熱中症患者が著しく増加する様子が分かります。

出典:環境省熱中症予防情報サイト(環境省熱中症予防情報サイト 暑さ指数とは? (env.go.jp)

つまり
【暑さ指数 】が28℃以上の場合は【熱中症】に注意が必要です。

【熱中症】に対する4つの予防法

【暑さ指数】に

注意すればいいんだね!

でも

具体的な【予防法】を
知りたいなぁ

それでは、具体的な【4つの予防法】をお伝えします。

  1. 休憩水分塩分補給
  2. 着衣帽子
  3. 身体冷却
  4. 暑熱順化

科学的根拠に基づきながら順に解説していきます。

1.休憩と水分・塩分補給

 【熱中症】の【2つの要因】である
【脱水】と【体温上昇】はスポーツ活動時に起きやすいです。

脱水が体重の1%増加するごとに直腸温は0.3℃上昇する.
(Adlf,1947)

初期体重の2%以上の脱水では持久力が低下し,3%以上に及ぶと最大パワーの低下が生じる.
(Yoshida et al.,2002)

との報告があります。

つまり、
身体のパフォーマンス低下は
【熱中症発生】よりも早期に生じるため
【熱中症発生】危険信号と考えられます

『身体が動きにくい』

と感じたら
【熱中症】の危険信号なんだね!

そうならないために

休憩と水分・塩分補給
大事なんだね!

20分間の運動を5分間の休憩を挟んで3回実施した場合,
5分間の休憩時には運動時に上昇した食道温は著しく低下する.

Yoshida et al.,1997

上記の報告もあり、
多くのスポーツ活動時では、休憩時に水分摂取する場合が多いので
【飲水休憩】は【脱水】と【体温上昇】を抑制できる最も効果的な方法です。

また、塩分摂取の研究は下記のような報告があります。

脱水時に【塩分】や【糖分】を含んだ
スポーツドリンクを自由に摂取した場合には、
水のみを自由に摂取させた場合に比べて脱水量が軽減できる.

中井ら,1994

このように
スポーツ活動においては、休憩を頻繁に取り入れ
スポーツドリンクのような【塩分・糖分】を含んだ水分を自由に摂取できる環境であれば、
【脱水】や【体温上昇】は確実に回避できます。

つまり
スポーツ現場では
休憩を多くとって
スポーツドリンク

自由に飲める環境づくりをしましょう!

2.着衣と帽子

 【着衣や帽子】は
屋外での【温熱ストレス】を軽減できる可能性がありますが
【着衣】は皮膚表面のからの熱伝導や汗の蒸発を抑制するため、
運動時の熱放散を減少させてしまう可能性
もあります。

じゃあ
どんな【着衣】を
すればいいの?

服の素材について考えてみましょう。

熱の伝導と吸収は綿100%が良
蒸発と通気性にはポリエステル100%が良い

つまり、これらの混合素材を用いた
スポーツウェアが適していると言えます。

黒い衣服に比べて白い服は太陽光からの【輻射熱】を減少させる.

Nielsen,1990

 上記の報告もあるため

夏の炎天下では
ポリエステル綿で構成された
白色長袖・長ズボンの着用

紫外線の軽減だけでなく
軽運動時の温熱ストレスの軽減も期待できます。

また、帽子については以下の報告があります。

 帽子着用は頭頂部の皮膚温度上昇の抑制だけでなく
発汗による余分な水分損失を防ぐが
頭部温冷感には帽子着用の有無による差はみられなかった.

寄本ら,1982

つまり、
【帽子】を被っていて
『あまり涼しくないなぁ』と感じても
積極的に着用
心がける必要があります。

3.身体冷却

【熱中症】の【2つの要因】を防ぐには
身体を【冷却】して【体温上昇】を阻止することが効果的です。

頭部・頸部の冷却は
全身冷却に比べて約30%の冷却効果がある.
(芳田ら,2004)

頭部・頸部を含む上半身冷却は全身冷却と同様に
平均皮膚温や温熱感を減少させて,
かつ活動部位(大腿部)の組織温を高く維持できる.
(久米ら,2009)

 上記のような報告から
を冷やすのは
効果が高いことがわかります
また、スポーツにおいても
パフォーマンス低下の原因となる
【活動部位の組織温の低下】を招きにくい効果もみられていますね。

つまり
【熱中症】対策は
頭や首を冷やしましょう!

4.暑熱順化

  暑熱環境でスポーツや活動をする必要がある場合は
暑さに慣れることが重要です。

これを【暑熱順化】といいます。

え!?
急に根性論!?

 しかし、この【暑熱順化】は
積極的な熱中症予防対策の手段とされています。

炎天下では
暑さに慣れている人は
慣れていない人よりも
運動能力や労働が大きく
熱中症の危険性も低いと言われています。

暑さに慣れるのも

大事なんだね!

暑熱順化のトレーニング法

 闇雲に暑さに慣れようと運動するのは
危険なので絶対にやめてください。

【暑熱順化】の効果が期待できる実践方法として
以下のようなトレーニングが挙げられています。

週に4回程度インターバル速歩の実施と
終了後にタンパク質や糖質を含む乳製品の摂取が効果的である.

Okazaki et al.,2009

 しかし、トレーニング実施期間と同程度の日にちが経つと
トレーニング前の状態に戻るので継続的な運動トレーニングが必要です

インターバル速歩

 ちなみに【インターバル速】とは
【早歩き】と【ゆっくり歩き】を織り交ぜながら歩く訓練のことです。

早歩き3分➡ゆっくり歩き3分➡早歩き3分➡ゆっくり歩き3分…

上記を繰り返し、1日計15分くらい実施してみてください。

まとめ

【熱中症】は誰もが起こりうるものです。

 地球温暖化を背景に
近年は爆発的に増えていることがわかりました。

【2つの要因】として
【脱水】と【体温上昇】があります。

これらを予防するために
下記の【4つの予防法】をお伝えしました。

  1. 休憩と水分・塩分補給
  2. 着衣と帽子
  3. 身体冷却
  4. 暑熱順化

さまざまな研究から
【熱中症】は
多くの解決策や予防策が考案されています。

注意すれば防げないものではありません

正しい知識を武器に
暑い夏を

楽しく健康的に乗り越えていきましょう!

読んでいただきありがとうございました。

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