腰痛は職種で決まる!?絶対知るべき危険因子!


最近、腰が痛いなぁ

何で痛くなっちゃったの?

職業柄、腰痛になりやすくて…

それはつらいね…
なんの仕事だっけ?

自宅警備員!!

上記のやり取りは特殊なケースですが
確かに、腰痛と職種には深い関係があります。
みなさんも、腰痛になりやすそうな職種はなんとなく分かるでしょうか?
例えば、☟の記事にも記載した在宅ワークは
長時間の座位姿勢により、腰痛を引き起こしやすくなります。
同じように、長時間の座位姿勢を伴う職種は
タクシーやバス、トラックの運転手が挙げられます。
これらの職種も同様に腰痛のリスクが上がりそうですよね?
このように業務に起因して生じる腰痛を【職業性腰痛】といいます。
今回は、この【職業性腰痛】が
- どういった要素で起こるのか?
- どうすれば回避できるのか?
を詳しく解説していきます。
それでは一緒に学んでいきましょう!
職業性腰痛の2つの種類

【職業性腰痛】は下記の2つの種類に分類されます。
- 災害性腰痛:突発的な誘因を伴う
- 非災害性腰痛:慢性的な疲労蓄積を誘因とする
【災害性腰痛】は
急激な運動や急に物を持ち上げた際に起こります。
そのため、きっかけは明確な場合が多いです。
しかし、
【非災害性腰痛】は
重量物を毎日扱うなどの
慢性的な疲労蓄積によって生じるので
きっかけは不明確である場合が多いです。
職業性腰痛の実態


職業性腰痛になるのは
どんな人たちなんだろう?
職業性腰痛患者は,過去に腰痛の既往をもつものが半数以上を占め,看護職,運輸職,近年では介護職を契機に腰痛を発症するケースが多いと報告されている.
腰痛の疫学より
上記からも分かるように
職業性腰痛は半分以上が、もともと腰痛持ちなんです。
そして、職種としては
看護職、運輸職、介護職が腰痛を発症しやすいことがわかります。

労働と腰痛には
深く関わりがあるのね…
じゃあ
労働の安全対策はどうなんだろう?
職業性腰痛においては、労働安全対策の向上により
徐々に災害性腰痛は減少しています。
しかし、業務上疾病の中で
職業性腰痛の発生頻度は最も高いです。
そのため
みなさん一人一人が
職業性腰痛に対しての知識を持ち
備えることが重要となります。
では、みなさんが注意し
できる限り回避すべき危険因子を見ていきましょう!
職業性腰痛の4つの危険因子
職業性腰痛の危険因子は以下の4つに分類されます。
- 作業要因
- 環境要因
- 心理・社会要因
- 個人要因

ん~
なんだかよくわからんなぁ…
なんだか難しい言葉が並んでいて分かりにくいですよね?
一つずつ詳しく解説していきます。
1.作業要因

- 力学的負荷:重量物の挙上・運搬(荷役、介護)
- 拘束姿勢保持(同一姿勢の長時間拘束):電話交換、OA機器操作
- 前屈位作業:土木作業、農業
- 急激、不意な力学的要請:物体の移動・運搬(介護、荷役)
上記のような作業は腰痛のリスクを増大させます。
しかし、避けることが難しい場合は多いかと思います。
ですので、なるべく
連続する作業時間を少なくしたり
休憩を挟んだりすることを心がける必要があります。
また、力仕事の場合は腰の負担を減らすために
股関節機能が重要となります。
詳しくは☟の記事をご覧ください。
2.環境要因

- 振動:車両運転、ヘリコプター操縦
- 寒冷:保冷庫内・寒冷地の作業
- 滑りやすい床・段差での作業:運搬
- 狭小な空間での作業:配管、配線、塗装
- 緊張持続の作業:重要物把握・運搬・精密作業
- 作業管理:現場監督
なかなか環境を変えるのは難しいかもしれません。
しかし、工夫することでストレスを軽減させることはできます。
例えば、車両運転の振動であれば
低反発クッションで軽減する可能性があります。
環境要因には、環境のストレスを少しでも緩和させるアイテムを使いましょう。
3.心的要因・社会的要因

- 不満足な職業・職種
- 職場の不和・不協調
- 性格
仕事への適合性、仕事への満足度、勤務体制といった
職業性ストレスに関連する要素の有無によって
腰痛が慢性化する危険度が高くなると言われています。
また、社会保障の欠如も職業性腰痛の危険因子となります。
転職も視野に入れながら、
まずは信頼できる人に相談してみましょう。
『私は大丈夫』と過信せず
心のケアを怠らないようにしてください。
4.個人的要因

- 年齢:加齢現象
- 性:骨粗鬆症、出産、筋力
- 体格:身長、肥満度、姿勢
- 筋力:体幹筋バランス、四肢筋力
- 関節可動性:脊柱、四肢
- 構築:著明な側弯、脊柱管狭窄症、椎間関節症、分離/すべり症、多椎間の脊椎症性変化
- 既往症、健康状態、遺伝的因子、活動性、生活状況、習慣
加齢は止めようがないですが
姿勢や筋力などは個人の努力で変わる可能性があります。
適切な姿勢であれば、普段の生活の中で
筋肉が働くため、著明な筋力低下や変形は起きにくいです。
姿勢については☟の記事をご覧ください。
まとめ
職業性腰痛は4つの項目によって生じることがわかりました。
- 作業要因
- 環境要因
- 心理・社会要因
- 個人要因
以上の4つを理解することで、
腰痛の予防や疼痛の軽減が図れます。
自身の体と心を見直すことで、
心身ともに健康な毎日が送れる可能性が『ぐっ』と上がります。
ブラック企業で
『これが当たり前なんだ』と思い
ひたすらに働いていると
いつのまにか自分の体と心がボロボロになっていくでしょう。
一番に考えるのは自身の健康でありたいですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。